J-QuAD DYNAMICS によるNTTデータ オートモビリジェンス研究所への資本参加および業務提携について

2021年4月5日

株式会社 J-QuAD DYNAMICS(本社:東京都中央区、社長:隈部肇、以下:J-QuAD)は、次世代自動運転・先進安全支援領域におけるソフトウエア開発を強化するため、先進ソフトウエア技術の高度エンジニア集団であり、車両ソフトウエア開発環境技術を持つ、株式会社NTTデータ オートモビリジェンス研究所(本社:神奈川県横浜市、社長:中井章文、以下:ARC)注1へ出資しました。

また、今回の資本参加を通じ、J-QuAD、ARC および株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、社長:本間洋、以下:NTTデータ)は、安心で快適なモビリティ社会の実現に向け、自動運転・先進安全支援領域の開発環境の共同開発・研究を中心とした 3 社の業務提携を結びました。

背景

昨今、自動運転、先進安全支援向けのソフトウエア開発は高度・複雑化しており、開発の効率化および安全証明のためのソフトウエアに対する評価・検証への確実な対応、開発環境の整備は自動車産業の喫緊の課題となっています。

J-QuAD は、安心で快適なモビリティ社会を実現するため、株式会社デンソー、株式会社アイシン(旧アイシン精機株式会社)、株式会社アドヴィックス、株式会社ジェイテクトの 4 社が 2019 年 4 月に設立して以降、自動運転の実現に必要な、クルマの「走る・曲がる・止まる」に関わるセンサーやステアリング、ブレーキを、より高度に連携させるための車両統合制御ソフトウエアの技術開発に取り組んでいます。また、より良いクルマづくり、スマートなモビリティ社会を牽引するべく、4 社が持つ自動運転・車両運動制御等の技術知見を結集することで、ソフトウエアの開発を効率化しスピードアップを図るとともに、自動車メーカーのニーズに合わせた開発を行うことで、より付加価値の高い車両統合制御ソフトウエアを提供してきました。

ARC は、自動運転ソフトウエアの安全性評価・検証に必要な、シナリオ自動生成 (交通状況・危険シーンの想定)および模擬実験環境構築注 2 の技術を強みとしています。さらに、熟練ドライバーのインテリジェンスに着目し、完全自動運転の実現に向けたハイブリッド AI の研究開発“GARDEN 注 3 プロジェクト”に取り組んできました。

NTTデータは、大規模社会基盤システム構築での知見、NTTグループの先進技術を活用し、主にクラウドでの「大規模データ処理」「AI」「セキュリティー」等の技術を含め、次世代モビリティ社会実現に向けた研究やサービス企画を行っています。

出資および 3 社業務提携の目的

J-QuAD およびNTTデータグループは双方の強みを生かして、ARC が研さんした技術・ノウハウの実用化を目指すとともに、共同研究を通じて新たな技術創出に取り組みます。J-QuAD は、これらの取り組みを通じて次世代自動運転、先進安全支援の開発に欠かすことのできない、ソフトウエア開発環境(管理ツール・開発ツール・仮想シミュレーション・シナリオ生成技術)の整備や開発の効率化・高度化を目指します。

3 社は、自動運転・先進安全支援領域のスピーディーな展開に貢献し、次世代モビリティ社会の実現に向けた取り組みを加速していきます。

本株式譲渡の概要

株式会社NTTデータ MSE が保有する ARC 株式のうち 13,990 株(10.00%)を J-QuAD に譲渡しました。

本株式譲渡以前 本株式譲渡後(2021 年 4 月1日付)
株主構成 株式会社NTTデータ 51.47%
株式会社ネクスティエレクトロニクス 20.01%
株式会社NTTデータ MSE 16.37%
その他 12.15%
株式会社NTTデータ 64.98%
株式会社ネクスティエレクトロニクス 20.01%
株式会社 J-QuAD DYNAMICS 10.00%
その他 5.00%

NTTデータ オートモビリジェンス研究所の会社概要

所在地 神奈川県横浜市港北区新横浜三丁目 1 番地 9 アリーナタワー
代表取締役社長 中井 章文
設立年月 1973 年 11 月 14 日
事業内容
  • 次世代モビリティに必要なソフトウエア技術の研究開発

  • MBD・数理・AI ソリューションおよびツールの開発および販売、コンサルティング

  • 車載・組込ソフトウエアの開発

  • オフショア・ニアショアテスティング

(注1) 2020年12月に「キャッツ株式会社」から「株式会社NTTデータ オートモビリジェンス研究所」へ社名変更しました。(https://www.zipc.com/jp/news/release/20201207.html

(注2) 模擬実験環境構築技術とは、実車走行評価だけでは検証できないシナリオを模擬実施するシミュレーション技術のことです。

(注3) GARDEN とは、ARC における自動運転ハイブリッド AI研究開発プロジェクトの総称です。ソフトウエアをシナリオベースで検証する総合検証環境(プラットフォーム)により、シナリオを自動生成し、各種シミュレータで精緻かつ効率的な検証を実現します。(https://www.zipc.com/jp/rd/future.html